屋外広告物落下の責任について
屋外広告物が落下した場合の責任は、その広告物を使用してる人(占有者)
または所有している人(所有者)が負います。
第一義的に責任を負うのはその看板の占有者(その看板を使ってる人や店、会社)が
賠償の責任を負う事になります。
ただしこの占有者が損害防止に必要な注意をしていたときは、
所有者が責任を負う事になります。
つまり占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたことが
立証できればその責任の一部を回避できることもあります。
例えば屋外広告条例に基づく定期点検を3年に一回行っていて、
なおかつ自主的に年一回程度点検を行い、その都度補修、修繕を行ってい場合などです。
被害者に対しての賠償責任が回避できるわけではなく、点検や修理をしていた
業者に被害者へ支払う賠償金の一部を負担させる事ができるという事です。
因みに所有者の場合、占有者と異なり、工作物の設置や保存の方法が
自分に何らの落ち度がなくても損害賠償責任を負うことになります。
これを『無過失責任』といいます。
損害の発生を防止するのに必要な注意とは?
では、その損害の発生を防止するのに必要な注意とは、
どんなものでしょうか?
過去の裁判例でいくと震度5の地震で耐えうる安全性が求められています。
つまり震度5以下の揺れで屋外広告物が落下した場合、
損害の発生を防止するのに必要な注意がされていたとは言えず、
損害賠償責任を負う事になります。
民事だけじゃない屋外広告物落下の責任
屋外広告物の落下による責任は、刑事責任も問われる事があります。
明らからにぐらついてる袖看板を放置していたなどの加害者側の落ち度が
明らかで大きい場合は業務上過失致死傷(刑法211条)で
5年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処されることもあります。
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